遠爺の「カッコつけドリル」 ~其の四“「CBM」は「普通の動き」から”~

CBM/コントラリー・ボディ・ムーブメントは、「回転またはカーブをする時、前進または後退する足と反対の上体(肩と腰)を足の進む方向へ推進する動作であり、反胴運動」と訳されています。

これを、初めて読んでみると考え込んでしまうと思いますが、実際のところは「普通に、手を振って歩く時」と同じ動作と言えば簡単に説明がつくようにも思われます。

左足・前へ踏み出す時、右手を前方に振る。
右足・前進の時、左手を前方へ・・・と、繰り返して歩行が行われます。

社交ダンスでは、ペアが向い合って組み、基本的には手の振りが無いままにステップを踏むので、敢えて解説を付けたのだろうかと推察されますが、回転したりカーブを伴ったりするステップの場合に、余分な力を使わずに、反動を用いる予備動作として、正に

”普通の動作と考えて自然体のままに動作するのがベター”

と考えると、ステップの気持ちになって自然のままに身体が動いて来るさま、と心得てみると良いようにも思います。

例えば、サッカーボールを蹴る時に、”モット強く蹴ろう”と思えば、蹴り足の反対の肩と手が自然に前に来て、立ち足でバランスをキープしていますネ。ボールを投げる時も、自然に反動動作がついてきます。また、スキーの斜滑降での股関節の動きも同様です。

社交ダンスでは、敢えて「反胴運動」と、”胴”を用いた解釈には頭の下がる思いがします。

そのCBMは、社交ダンスでは随所に活用されますが、活用するべき箇所で、活用し難い体勢にあるために、カッコ良くステップを踏めていないケースをよく目にすることがあります。

その例は、同ドリル其の弐・参考フォト①②③のケースのようにペアが外れ、かつ前進の体重移動が先行している場面です。このケースにおける、女子が全面に見えるカメラアングルが、下記写真の”例-①”です。女子がとても辛そうな姿勢で、気の毒に見えますネ。

翻って、製造工場などの品質管理や改善等に用いられる管理方式であり、一般業務でのミスや課題の解決に応用される手法として活用されている「品質管理(QC/クオリティー・コントロール)・QCストーリー」によると、ミス発生や問題点の発生は、その一つ前の過程に原因がある、と言われています。

このストーリーによって考えると、ペアが外れてナチュラル・ターンに入る前のステップ、その多くは「ウイスク⇒シャッセ・フロム・PP⇒ラチュラル・ターン前半」とするアマルガメーションと推察すると、「シャッセ・フロム・PP/1・2・&・3」の踏み方、特に「3」のステップに原因があると想定されます。

たしかに、このフィガーでよく見られる課題は、「2・&・3」は、ライズ継続で、3・アップなので、本来は歩幅は狭く、女子は少しながら回転(最初の3歩で1/4回転)を伴うステップなのに、男子が勢いつけて大きく踏む場面が多いように思います。その結果が、”ドリル其の弐”のフォトに見られるパターンになるようですネ。

従って、「シャッセ・フロム・PP」をマニュアルを基にドリルしてみるのが良いと思います。

特に、男子・左足「3(サン)」の”サ” でタッチする前半はアップで歩幅は小さく、後半“ン”の終わりにヒールが降ります。足の位置がそのまま軸足になり、ナチュラル・ターン「1」のサポートがしっかり整えられるので、CBMを余裕を持って出来るようになると思います。

この、アマルガメーションでCBMの感覚を掴み、且つ”OPでCBM掛けてCBMPにステップ”する楽しみは、充実感に変わってくると思います。

ドリルっているうちに、カッコ良く調子がついて来ると思います。

写真”例-③”は、ウイスクからシャッセへの、女子・1歩めの”左足・PPでCBMPにアクロスして前進”する様子です。

社交ダンスは、音楽に乗って楽しむ(社交ダンスのすすめ/参照)、と述べていますが、ダンスで音楽と言えば「リズム」、と直ぐに思いつきますが、音楽には「拍子・リズム」、「旋律・メロディー」、「和音・ハーモニー」の三要素があります。

いま、ワルツのフィガーでドリルしていますので、三拍子を味わってみましょう。

P-1は、小学生の初めてクラス代表で指揮を執る時にタクトを振る最もシンプルなパターンで、しっかりと三角形を示しています。

P-2は、指揮する経験を積んで来ると、メロディーやフィーリングを表現しようとする気持ちを皆に伝えようと、タクトの振りに現わしている様子が見えるパターンですネ。

P-3は、P-2での丸みを延ばして、”円”の形に纏めてみました。この円に沿って、腕を伸ばし、リズムに乗って大きく回してみてください。

「1・2・3/2・2・3/ズン・チャ・チャ/ズン・チャ・チャ/・・・・」とワルツのテンポで腕を回し続けると、始めは時計文字盤で云う”12”から「1」を数えましたが、何度も繰返しているうちに、

P-4に示す様に、文字盤の”10”前後の所から「1」の始まりに変わってきませんか。

社交ダンスでワルツを踊っていると、所謂「ライズ&フォール」がメロディーやフィーリングを楽しんでいるうちに、このように踊っていると思います。

余裕を持った楽しいダンスは、自然にシッカリとバランスを取って踊るように、踊り方が向上するという変化が見えてくると感じます。

この余裕は、シルエットに現われる男子のホールドの支えと、女子の柔軟なボディから流れ出るフィーリングがマッチして、視覚に”ハーモニーを醸し出して”いる姿が映っている自ら充実感を覚えるダンスになると思いますネ。

このように、ペアが音楽の「リズム・メロディー・ハーモニー」を感じて、お互いのイメージが通じ合うのは、上記のレッスン写真 “例-②” で見るように、男子・左、女子・右の上腕の接点(社交ダンスのすすめ/ホールドの項参照)が重要なポイントになるのです。

この効果を正しくキープする為に、私はマナーとして男子には夏でも長袖着用を勧めています。

特定のパートナーに限らず、女性も男性も、みんなで基本を大切に、正しい所作を習得する努力こそ、社交ダンスを楽しむ道であり、ペアで踊る社交ダンスは ”ナイス・ホールド” が第一だと心得たいものです。

カッコつけて踊る術をドリルってみましょう!

                                                      (スマイリー・遠爺(えんじい))